骨盤の解剖と直腸脱の病態

直腸脱は女性に多い疾患ですので、ここでは女性における病態をシェーマで示します。

正常な女性の骨盤断面図

深い骨盤底や直腸仙骨固定不良などの先天的な要因に加えて、若年者では排便習慣と精神疾患、高齢者では老化と出産による骨盤底筋の脆弱化が関与しているとされています。

直腸がずり落ちてくる滑脱や、反転した直腸が上部から降りてくる重積によって直腸脱となるわけですが、明瞭に分類されるものではなく、両方の要素が存在する場合が大半です。

直腸脱患者の骨盤断面図 直腸脱患者の会陰部

たるんだ直腸粘膜がずり落ちて肛門からはみ出した状態です。 前壁側の粘膜が脱出する場合が多いですが、全周が脱出する場合には、直腸脱と区別が難しい場合があります。

また、直腸脱の前駆状態として直腸粘膜脱になる場合がありますし、実際は直腸脱なのに外来では全層脱出が確認できず、直腸粘膜脱と判断してしまうこともありますので注意が必要です。

直腸粘膜脱患者の骨盤断面図 直腸粘膜脱患者の会陰部

全周性のいわゆるいぼ痔が脱出した状態です。 典型的には、3方向に大きな部分があり、それらがつながった形状となります。

脱肛患者の会陰部


筆者

筆者は現在東京都内の病院に勤務しており、関東全域のみならず遠方の患者さんの手術も数多く手掛けています。

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専門外来は金曜日の午前中ですが、月曜日の午前中も一般外来にて対応できます。

予約電話がつながりにくく、ご迷惑をおかけしているようで申し訳ありません。 予約できない場合、当日受付でも極力お断りしない方針にはしています。 ただし、午前中10時頃までにお越しいただきたいのと、待ち時間についてはご了承ください。

なお、紹介状をご用意いただけない場合 (急ぐ場合や前医に頼みづらいなど) も受診できますが、病院の規定で選定療養費をいただくことになりますことをご了承ください。

受診いただく前に 直腸脱の治療の流れ ~初診から退院後まで~ および よくある質問 の内容をご一読いただいておくと助かります。 できるだけ、脱出時の写真をご用意ください。

直腸脱 と思い込んでいたけれども単なる 脱肛直腸粘膜脱 であったという方は多いです。 特に遠方からいらっしゃる場合には、ご近所の肛門科などではっきり診断されてからのほうがよろしいかと考えます。