骨盤の解剖と直腸脱の病態
直腸脱は女性に多い疾患ですので、ここでは女性における病態をシェーマで示します。
正常な女性の骨盤
直腸脱
深い骨盤底や直腸仙骨固定不良などの先天的な要因に加えて、若年者では排便習慣と精神疾患、高齢者では老化と出産による骨盤底筋の脆弱化が関与しているとされています。
直腸がずり落ちてくる滑脱や、反転した直腸が上部から降りてくる重積によって直腸脱となるわけですが、明瞭に分類されるものではなく、両方の要素が存在する場合が大半です。
直腸粘膜脱
たるんだ直腸粘膜がずり落ちて肛門からはみ出した状態です。 前壁側の粘膜が脱出する場合が多いですが、全周が脱出する場合には、直腸脱と区別が難しい場合があります。
また、直腸脱の前駆状態として直腸粘膜脱になる場合がありますし、実際は直腸脱なのに外来では全層脱出が確認できず、直腸粘膜脱と判断してしまうこともありますので注意が必要です。
脱肛
全周性のいわゆるいぼ痔が脱出した状態です。 典型的には、3方向に大きな部分があり、それらがつながった形状となります。
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